拡大写真をいきなり見せられると、ちょっと不気味な宇宙生物のようだ。こういうのが蠢(うごめ)いて、たかってきたら嫌だなと思う。じつはごく一般的な雑草の実である。
これも緑一色だ。タデ科。ヨーロッパ原産で広く日本に帰化している。名前の「エゾノ(蝦夷の)」は北海道で最初に見つかったためだ。鈴生りになった実をしごくと、いかにもギシギシいいそうだ。水田の周囲など湿ったところに多い。
果実(白色の楕円形)を包む花被片(かひへん)は径4㎜ぐらいのペナント形で、周囲が深く裂けたようなとげになっている。類縁のギシギシ(在来種)はよく似ているが、実の一部に鋸歯(ギザギザ)がある程度である。