猛烈に暑い日々が始まった。たまに集中豪雨のような1日もあるが、その後は蒸し風呂状態になってたまらない。近場を歩いてみても、今の時期野の花は少なく、イネ科の雑草が幅を利かせているばかりだ。
繁茂する草むらの中で薄緑色の小さな花と緑の実を見つけた。ブドウに似ているが別系統で、ツヅラフジ科のつる性の木である。日本在来種で全国に分布する。冬は葉を落とし、春からツルを伸ばしていく。雑木林の林縁などによく見られる。実(み)は秋に紺青色に変わり美しい。ただし有毒である。
青葛籠藤。アオ(青)は青葉と同じ緑色のこと。葛籠(つづら)とはツルで編んだ入れ物のことで、本来はツヅラフジが材料として使われた。物事がもつれることを葛藤(かっとう)というが、一説ではこの植物がもつれ絡み合う様(さま)に由来するという。