広い歩道のコンクリートとアスファルトの間にズボンッという感じで立っている。薄緑色の微細な毛におおわれており、見た途端この名前が浮かんだ。図鑑等で知ってはいたが実際に見たのは初めてだ。描いていたイメージ通りの存在感だ。
ゴマノハグサ科の2年草。種はその年に芽を出し、地面に張り付いた葉の形(ロゼット)で冬越しする。翌年長い棒のような花穂を伸ばして、五弁の黄色い花を付ける。夏中咲き続ける。強烈な陽光と高温のせいか花はしおれたようになっている。整った形の花を見かけたらまた紹介したいと思う。
ヨーロッパ原産。漢字で書くと天鵞絨毛蕊花。全草がビロード状の細かい毛におおわれ、雄シベ(蕊)にも毛があるのが名前の由来である。明治時代に観賞用に導入された。当時の園芸家は大層な名前を付ける傾向があったようだ(ヒメヒオウギズイセン、姫檜扇水仙、など)。その後各地で野生化した。日当たりのよい荒地のような場所を好むようである。