植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ヤマザクラのサクランボ

4月に満開の花で楽しませてくれたヤマザクラ。今は葉桜になっており、サクランボができていた。そういえば山形県のサクランボも今頃だ。ずっと小さいが楽しくなる瑞々(みずみず)しい色合いは同じである。薄黄色→橙色→赤→濃い紫色と変わっていく。大きさはいろいろあるように見えるが遠近法の錯覚で、径7,8㎜でほぼ同じだ。

 

咲いた花の数よりずっと少ないのは、鳥に食べられたからだろう。その結果消化されない種があちこちに運ばれることになる。春の一時期、野山がところどころピンク色に煙るのはこうして分布を広げていくヤマザクラが咲いているのである。

 

サクラには自家受粉できない性質がある。ヤマザクラはよく見ると木によって葉や花に個性がある。交配による多様性が自生して生きていく上で重要なのだろう。一方ソメイヨシノは作出された品種で、すべて同一クローン(遺伝子)なのでサクランボはできない。たまに間違えたようにできていることがあるが、別種との交配によるもので、種は雑種になってしまう。そのためソメイヨシノの木があればすべて人為的に植えられたものである。