城山(神奈川県相模原市)を相模川の下流、西側の新小倉橋の上から見ている。このブログでも何度か触れたが、興味は尽きない。右側の平坦な相模原台地は、相模川で急な崖になって落ち込む。谷にかかる城山ダムは高さが75mなので比高差はそれ以上ある。対岸の城山側は急峻な斜面が最高峰(標高375m)まで続く。この地形はどうやってできたのか?
地質的には、台地側の崖に表れている基盤の岩石は砂岩泥岩の互層で、小仏層群という中生代白亜紀の地層である。一方城山は主として新生代第三紀の角礫岩(かくれきがん)からなり、年代に数千万年の違いがある。角礫岩は黒色の泥岩角礫を含む海溝堆積物に特有のものである。
藤岡換太郎先生の「川はどうしてできるのか」を参考にして考えてみた。
新生代第三紀には現在の相模川の位置にトラフ(浅い海溝)があり、フィリピン海プレートが南西側から陸のプレートに沈み込んでいた。500万年前、そこに海のプレート上の丹沢(島)が衝突し、一部が沈み込めず陸に付加し、トラフに堆積した岩石が盛り上がって城山ができた。トラフは海側に後退し、丹沢山地を挟んで酒匂川の線で再度沈み込みを始めた。
元のトラフは相対的に低地であるため川(原相模川)となったが、盛り上がりが続いたため、流れが急になり川底を削って(下刻作用)深い渓谷になった…。
こういうことを考えると面白くてしょうがない。