漢字で鉄葎。鉄のような強靭なツルで、それが生い茂って絡み合っている様子(むぐら)が名前の由来だ。研修農園の草取りを少しサボっていたら、隅の草叢から溢れ出して畑を浸食していた。ツルを触るとザラザラした固い毛が生えていて、引っ張ると強い抵抗があり、鉄という表現を実感した。
雌雄異株。目立つのは雄花で、大きな円錐型の穂になって立ち上がる。詳しく見ると、星形の花被片(ガク)から大きな黄緑色の葯(やく、花粉嚢)が垂れ下がっている。全体で径7㎜ぐらい。少し触れるだけで花粉が舞い上がる。これの花粉症の人は恐怖だろう。
一方、雌株は雄株に隠れる感じでむぐらの下の方にある。数個の雌花が花被片に包まれている。画像は若い雌花だ。開花すると白い雌シベが出るがほとんど分からない。雄株より遅れて伸びてくるのは、自家受粉を避けるためか。花後は赤茶色く変色する。
何かに似ていると思ったら、ビールの苦みを付けるホップだ。同じアサ科の近縁である。