植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

カナムグラの雄花と雌花

f:id:M_majipan:20201004141243j:plain

 漢字で鉄葎。鉄のような強靭なツルで、それが生い茂って絡み合っている様子(むぐら)が名前の由来だ。研修農園の草取りを少しサボっていたら、隅の草叢から溢れ出して畑を浸食していた。ツルを触るとザラザラした固い毛が生えていて、引っ張ると強い抵抗があり、鉄という表現を実感した。

 雌雄異株。目立つのは雄花で、大きな円錐型の穂になって立ち上がる。詳しく見ると、星形の花被片(ガク)から大きな黄緑色の葯(やく、花粉嚢)が垂れ下がっている。全体で径7㎜ぐらい。少し触れるだけで花粉が舞い上がる。これの花粉症の人は恐怖だろう。

 

f:id:M_majipan:20201004141259j:plain

 一方、雌株は雄株に隠れる感じでむぐらの下の方にある。数個の雌花が花被片に包まれている。画像は若い雌花だ。開花すると白い雌シベが出るがほとんど分からない。雄株より遅れて伸びてくるのは、自家受粉を避けるためか。花後は赤茶色く変色する。

 何かに似ていると思ったら、ビールの苦みを付けるホップだ。同じアサ科の近縁である。