これが有名なトリカブトの花。毒草の多いキンポウゲ科の中でも最強とされている。場所は近場の山の林縁。野生のものは初めて見たが、思っていたより大きく派手だった。例によって花弁に見えるものはガク片で、プラスチックのような独特の質感がある。
名前の由来は舞楽で用いられる鳥甲(兜)に似ているから。しかし、兜(かぶと)とはよく言ったもので、ガク片の内、上にかぶさるものは兜の鉢(はち、ヘルメットの部分)のような形をしており、眉庇(まゆびさし)まで付いている。その下は兜の錏(しころ、首筋を防御する)に見立てられる。英名はmonkshoodで修道僧の着る僧服のフードだ。
色にしろ形にしろ、少し異様だが怪しい魅力のある花である。