前回「朝焼けがアカネ色」と書いたが、植物のアカネはほとんど知られていないのではないか。画像がそれである。ちょうど今頃、径3-4㎜ぐらいの薄黄緑の小さな花を付ける。どっさり花を付けているものもあるが、草丈は50㎝もなく、草むらの中で全く目立たない。
ツル性で茎に下向きの細かいトゲがあり、他の植物にひっかけて伸びあがる。葉は特徴的でスペード型の葉が4枚同じところから出ている(輪生)。そのうち2枚がやや小さいのは、托葉(茎を取り巻く葉)が変化したものだからだ。
根が赤いからアカネ。いにしえはこれで衣類を染めた。赤い根を見てみたかったのだが、今や貴重な植物なので、そっとしておくことにした。
アカネ色は沈んだ赤を指す。確かに秋深まった時の夕焼け(朝焼けも)や赤とんぼの色で、郷愁をそそられるものである。