植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

アカネ(茜)の花

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 前回「朝焼けがアカネ色」と書いたが、植物のアカネはほとんど知られていないのではないか。画像がそれである。ちょうど今頃、径3-4㎜ぐらいの薄黄緑の小さな花を付ける。どっさり花を付けているものもあるが、草丈は50㎝もなく、草むらの中で全く目立たない。

 ツル性で茎に下向きの細かいトゲがあり、他の植物にひっかけて伸びあがる。葉は特徴的でスペード型の葉が4枚同じところから出ている(輪生)。そのうち2枚がやや小さいのは、托葉(茎を取り巻く葉)が変化したものだからだ。

 根が赤いからアカネ。いにしえはこれで衣類を染めた。赤い根を見てみたかったのだが、今や貴重な植物なので、そっとしておくことにした。

 アカネ色は沈んだ赤を指す。確かに秋深まった時の夕焼け(朝焼けも)や赤とんぼの色で、郷愁をそそられるものである。