晩秋の季節。里山公園を歩いていると、ツツジの生け垣の中にハッとするような赤い実を見つけた。つる性で葉は三つの小葉を持っておりマメ科と思われた。辺りを探すと結構同じ実があり、一つは莢が裂けて中に二つの黒光りする種(豆)が覗いていた。
後で調べるとトキリマメ(吐切豆)という植物らしい。類縁にタンキリマメ(痰切豆)というのがあるそうだ。どちらも薬になるのだろうが、あまり良いイメージの名ではない。
名前はともかく、赤い莢が鮮烈だ。種を鳥に運んでもらうためにこんな目立つ色をしているのか。しかし、秋の里山の沈んだ緑や、紅葉の中で、この赤は意外に調和がとれていると感じるのは不思議である。