初冬の里山公園は、ほとんどの紅葉が散り落ち、雑木林の色彩は沈んだ灰緑色が基調になる。しかし少し歩くとサザンカやロウバイの花の彩に気がつく。さらに、葉が大部分落ちてしまった木に、色鮮やかな実が残っていることがある。
画像はゴンズイの実である。花は緑色で目立たないが、青黒い実が赤い袋状のものに入っており、それがはじけて実(種)が露出する。おもしろい色と形である。薄黄色になった葉とのコントラストが絶妙で、葉先が少し赤くなっているのも渋い。
何とも無粋な「ゴンズイ」という名前は、魚のゴンズイと関係があるとかないとか。海水浴で幼魚が球状に集まった「ごんずい玉」を見たことがある。ナマズの仲間で、毒のある棘を持つ。一説には、材木にならないことで「役に立たない」という点で、毒のある魚(身は美味しいらしい)と共通とのこと。
なにはともあれ、こんな実が冬の鳥の餌になる。大きな木から離れたところに幼木があったので、鳥が種をまいたのだろう。