植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ハンノキ(榛の木)

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 今回はちょっと変わって樹の花である。以前から気になっていたハンノキだ。

 ハンノキはカバノキ科で、シラカバなどと類縁である。植物図鑑によると、雌雄異花で、花期は2-3月である。雄花は小さな花の集まりが紐状に垂れ下がる。雌花は小型のマツカサのような楕円形、とのことである。

 実をいうと、今までハンノキの実物を見たことがなかった。図鑑で見ても「いわゆる樹木」という感じで、特徴が少ない。花も地味で、似たような木が多種類ある。多摩丘陵などで春先に紐状の花が垂れ下がる樹木はよく見かけるが、他の特徴から見てハンノキではないようだ。また、近場の里山公園などを何カ所か探してみたが、見つけられなかった。

 ネットで検索すると、川崎市麻生区の公園にハンノキ林があることがわかった。他に思うことがあり、実物を見に行くことにした。

 そこは多摩丘陵の一角のおそらく谷水田の跡で(画像:道の左側)、一部ため池となっている湿地であった。まっすぐ伸びたスリムな高木で、葉がだいぶ落ちて明るい純林を作っていた。本来は紅葉するそうだが、今年は台風の強風のせいか傷んだ緑の落葉が多かった。

 周囲の里山の雑木林とは雰囲気が異なり、なんとなくノルウェーの森(行ったことも読んだこともないが・・)を思わせる。木の姿だけ見ると冬の散歩道に最適ではないかと思う。イイカンジ。(続く)