植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ゲンノショウコ

 

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 2年前の今頃、ヒガンバナの名所を訪れた時に見つけた花である。場所は山間部の谷水田の畔みたいなところで、草に埋もれていた。小さくてかわいい花だ。花弁の色は白で、中央の雄しべと放射状の筋がパステルカラーの紫色をしており上品でよい感じである。花の色にはバリエーションがあり、関東では白紫、関西では紅紫の花が主だそうである。

 その時は何の花かわからなくて、写真を撮って後で調べたところゲンノショウコとわかった。名前は前から知っていたが実物を見たのは初めてであった。急な腹痛に即効性があることから、効き目は「現の証拠」と名付けられたとのこと。センブリ、ドクダミと並んで日本の代表的な民間薬である。漢方薬には入っていない。

 昔の時代劇。街道を武士が歩いていると女性の旅人がしゃがみこんでいる。「お女中、如何なされた」「持病の癪(しゃく、急な腹痛)が・・」「これをお飲みなされ」と印籠から出すやつである。

 これが水田の畔に生えているということは、昔の人が薬として使うために植えたものかもしれない。いろいろ想像して楽しんだ。