秋が深まってきた。里山公園を歩いていると、ススキ原の中に点々とこの花が咲いていた。この赤紫色は遠目にも目立つ。よく見ると細い雄しべ?が放射状に突き出しており、その先に花粉のようなものが見える。ユニークな花である。春咲きのノアザミより小ぶりの花だ。
キク科で、花が終わった後は綿毛状になる。子供の頃父から「この中にいる蛆みたいな虫(蜂の幼虫?)が絶好の釣りえさになる」と教わった。やってみたかったが、残念ながらまだ実現していない。
しかし油断してはいけない。葉を見ると鋭いトゲがある。うかつに触るとひどい目にあうだろう。オニアザミ(鬼薊、外来種?)という種類も見たことがあるが、全草トゲだらけで大きく育ち、怪獣みたいだった。それに比べればかわいいものである。
人づきあいが不器用で、つい傷つけてしまう人が、自分のことをアザミにたとえることがある。大丈夫、蜜があることを知っている蜂やら蝶やらが来て、変なものが寄ってこないだけと思う。