今頃多摩丘陵で次々と咲いていくシソ科植物の一つ。互いに似ていて遠目には判別は難しい。花だけ拡大したのは草丈や葉の形などだけ見るとハッカ(ペパーミント)にそっくりだからである。しかし息をのむような透明感のある薄紫色だ。
この花の特徴は、花穂が一方向に一斉に咲き、中央部が膨らんでちょうど薙刀(なぎなた)の形状をしていることと、花弁の先が細かく切れ込んで毛のようになっていることである。
全草に独特の香りがある。私には塗料のラッカーに似た匂いのものがあった記憶がある。悪臭ではないがシソやミントとは異質な感じがする。かつては乾燥したものが香薷(こうじゅ)という生薬として使われた。やはり香りがポイントのようである。
【関連】イヌコウジュ:20-9-30.ヤマハッカ:20-10-28.