雑木林は「緑したたる」と表現される季節だ。今回は、変った木の実である。以前から時々見かけて、なにであるのか気になっていた。実の形は何というか、先の尖った楕円形の扁平な袋が2つくっ付いたような形で、中に種が入っている。資料では折り紙の奴さんの袴という表現があった。
調べるとミツバウツギという植物の実であった。日本全国に自生。湿地に多い3~4mの木とのこと。そういえば丘陵地の谷戸(やと)を流れる小川沿いに並んで生えていた。
また「ウツギ」が出てきたが、確かに白い花や葉の形がよく似ている。しかし、普通のウツギがアジサイ科であるのに対して、ミツバウツギ科である。この科にはハデな実のなるゴンズイが含まれる。葉は鋸歯が目立つ程度で特徴がないように見えるが、よく見ると小葉3枚からなる複葉であり、これが「ミツバ」の名の由来である。実は秋に茶色く変色する。