相模原北公園の花壇に植えられていたもの。草丈が2mぐらいあり、葉も花も大型で異様な力感(りきかん)がある。これだけ揃うとなかなかの迫力だ。大きくても間が抜けて見えないのは、黒光りするような濃い緑の葉とシャープな花の形状によるようだ。
地中海沿岸原産の常緑多年草。古代ギリシャでは神殿建築の柱の装飾にこの葉の意匠が用いられた。日本では葉がアザミに似ていることからハアザミ(葉薊)と呼ばれる。
花は紫色の笠のようなガクから白くて長い花弁が出ている。よく見ると花の根元にトゲがある。ギリシャ語でトゲ(棘)のことをアカンサスといい、これが名前の由来である。
調べていて一番驚いたのは、これがキツネノマゴ科であること。確かに花の特徴は似ている。しかし、以前紹介した日本のキツネノマゴの草丈はせいぜい20㎝しかなく、花もよく見ないとわからないぐらい小さい。アカンサスは草丈が10倍なので体積は1000倍になる。まあそれぐらいの差はある。地球を3分の1周すると同じ科でもそれだけ変化するのだ。
キツネノマゴ(花)2020-08-20、(果穂)2020-12-05