植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

種の消失ミステリー

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先月のことである。急に思いついて枝豆を植えた。プランターは大型のものを使い、土も野菜用の新しいものを用いた。足りなかったので市販の黒土を上に足して、早生種の枝豆の種(大豆)を蒔いた。ところが2週間たっても芽が出ない。様子を見るため一か所掘ってみたが、種がみつからない。あわてて全体を調べると10粒以上蒔いたのにすべて消えている。一体何が起こったのだ?

 

表面が荒らされた形跡はないので鳥や動物の仕業ではない。新しい土だから土壌中の生物や病気にやられたとも考えにくい。芽が出なかった場合でも腐敗した種ぐらいは残るだろう。気味が悪くてしばらく放っておいた。

 

その後、プランターの土を再度調べてみた。よく見ると黒土が一部ダマのようになっている。少し硬い。潰してみると中からふやけた種が出てきた。芽が出た様子はない。…これで消失ミステリーの謎は全て解けた。白っぽい大豆が黒土の中で目立つという先入観が盲点であった。

 

培養土の上に足した黒土が犯人だ。種に水をやると一気に吸水する。その後晴れると黒土は先に乾き、今度は種から水分が出てキメの細かい黒土の粒子を吸着したようだ。その結果種の周りが固められてしまった。つまり被害者(大豆)は窒息死したのである。同時に死体も隠蔽された。昔、生物の時間に種の発芽に必要なものは3つ、気温、水分、そして空気(酸素)と習った覚えがある。

 

画像は土をよく混ぜて蒔きなおしたもので、今度は順調に育っている。