以前多摩丘陵で自生のツリフネソウを見た時、宙に浮いたような不思議な造形の花に驚いた。類縁に黄花の希少種があることは知っていたが、ようやく最近出会えた。
相模原市の北公園にアジサイを観に行ったとき、植え込みに紛れて咲いているのを見つけた。この公園は段丘崖の雑木林をうまく残しており、アジサイやツリフネソウなど日陰を好む里山の植物には絶好の環境になっている。この花は植えられたものか、自生のものか微妙なところだ。
黄釣舩。ツリフネソウ科の一年草。日本全国に自生するが数は少ない。ツリフネソウとは赤紫と黄の花色の違い以外に、花期がやや早く6-8月であること、花の後ろにある距(きょ、蜜が溜まる部分)が丸まらずに垂れる点が挙げられる。
画像を見ていただくと、こんな花が細い花柄でつながっていることが信じられないぐらいだ。なお上にぶら下がっている小さなものは、左が若いツボミ、右側が花後の実である。細長い実は大きくなると曲がる。触るとはじけて種を飛ばすので、花言葉は「私に触らないで」である。