街中の道路沿いにある切れ端のような公有地は花壇になっていることが多い。世話は近隣の有志の方がボランティアでされていて、よく整備されたものを見ると町の住民の意識の高さが伝わってくる。
カメムシは苦手だが、これだけ目立つと思わず見入ってしまう。赤いなめし皮に黒い線を引いたようなツヤと質感だ。翅のふちからはみ出している腹部は、よく見ると点々模様である。模様が筆で墨黒々と書いたようなタッチであるのが面白い。
調べるとアカスジカメムシと言い、そのまんまの名前だ。初夏に現れ、幼虫がセリ科植物を食草にしているのでそこで見かけることが多い。
背後でボケている白い花はオルレア、園芸品種名ホワイトレースという。虫がいるのは花が終わった後の果穂で、トゲトゲの多い実に変わっている。ヨーロッパ原産のセリ科植物である。虫には思わぬ生活の場になっているようだ