庭木として植えてあるボケは中国原産の園芸種で、日本の固有種はクサボケといわれるものである。多摩丘陵では多く自生しており、まだ春が浅い3,4月頃に朱赤色の花を咲かせる。背が低く「クサ(草)」が名前に付いている。
「ボケ」の名の由来として、実が瓜(ウリ)に似ており、木に成る瓜だから木瓜。昔の日本語で「ぼっくわ」「もけ」と言っていたものが訛(なま)ったという説がある。ちなみに中国では貼梗海棠(てんきょうかいどう)という。
クサボケの実は自然の状態では鳥などに食べられてしまうのか、ほとんど見かけない。画像の実もノイバラの傍らで草に埋もれていたものだ。しかし、これではウリというよりは、同じバラ科のリンゴやナシの若い実といった方が近い。まだ青いが、秋には黄色くなる。香りが高く果実酒などにされる。
クサボケの花 2021-3-31