植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

6月の木の花

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さて何の花でしょう?実(み)と葉は誰でも知っています。俳句では、花は夏の、実は冬の季語です。

 

ガクが微かに薄紫色の白いツボミが開くと、次々と花弁がめくれていき、6本の黄色いスジのある雄シベが現れる。雄シベの黄色い部分は先の方から黒くなる。中央の白い雌シベは子房がだんだん膨らんでいく…。

 

答えは、あの真っ赤な実のナンテン南天)の花だ。ツボミと花は大きな円錐形の花序にぎっしりついているが白くて印象が薄い。すぐ黒っぽくなるのでますます目立たない。花は直径6-7㎜に対し、実は8㎜と大きい。そのため花と実が同時に付いていると実ばかりが目立ってしまう。

 

メギ科。今まで紹介した中では、ヒイラギナンテンイカリソウが同じ科だ。中国原産の古い渡来植物である。しかし、民家の庭先に普通に植えてあるので和風のイメージがある。近場の野山で自生しているものも見かけるが、鳥が実を啄んで種をまくのであろう。