植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

テリハノイバラ2021

f:id:M_majipan:20210613060726j:plain

多摩丘陵の3種類ある野バラのなかで最後に咲く。例年6月初旬である。花は大きめ(径2~2.5㎝)であるが、葉が小さくツルが地を這う性質があるので比較的目立たない。葉は小葉9枚で、毛がなく油を塗ったような光沢(照り)があるのが特徴だ。

 

道沿いに数多く生えている場所を知っている。雑木林の縁で、今の時期は木陰になって薄暗く、他の植物に紛れる感じなのでわかりにくい。ゆっくり見て歩いたが、どれも花も実も付けていない。ようやく見つけたのが画像の花である。

 

いじけたような花で申し訳ないが、自然の状態とはこんなものである。常に気候や周辺の環境に左右され、他の植物と競争になる。肥料もなく病害虫とも対抗しなければならない。野バラは比較的日向を好むが、今は日陰になっているので、花を付けずに明るい方向にツルを伸ばしている状況と思われる。たまたま陽光に恵まれれば多くの花を付けるだろう。今回は葉の美しさに注目してほしい。

 

100年以上前にアメリカなどで、この植物を基に多くのつるバラが作りだされた。現在の豪華な園芸種にも含まれる優れた遺伝子を持っているのである。