植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

方沸石(ほうふっせき)のキラキラ

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 径1-2ミリのコロッとした小結晶の集合体である。結晶は偏方24面体(トラペゾヘドロン)。一つの面が不等辺四角形をしているが、結晶同士の干渉のためか段差があって理想的な形にはならない。直接光を反射するだけでなく、結晶内部を通過した他の面の反射光が複合し、結晶が一つ一つぼんやり輝いて浮かび上がる感じが夢幻的で好きである。

 沸石はケイ酸アルミニウムナトリウムの鉱物である。分子構造に大きな空間があり、水分子やイオンを多く保持している。産状は魚眼石とほぼ同じで玄武岩安山岩質の溶岩の空隙に結構普通に出る。生成には火山の熱水が関係している。以前東北地方産の大型の結晶を紹介した。白濁していてあまりキラキラではなかったがまた別の趣があった。

 ミネラルショーで入手。産地は千葉の南房総市平久里で、おそらく海底火山由来の枕状溶岩中のもの。山の中らしいが一度行ってみたい。