径1-2ミリのコロッとした小結晶の集合体である。結晶は偏方24面体(トラペゾヘドロン)。一つの面が不等辺四角形をしているが、結晶同士の干渉のためか段差があって理想的な形にはならない。直接光を反射するだけでなく、結晶内部を通過した他の面の反射光が複合し、結晶が一つ一つぼんやり輝いて浮かび上がる感じが夢幻的で好きである。
沸石はケイ酸アルミニウムナトリウムの鉱物である。分子構造に大きな空間があり、水分子やイオンを多く保持している。産状は魚眼石とほぼ同じで玄武岩~安山岩質の溶岩の空隙に結構普通に出る。生成には火山の熱水が関係している。以前東北地方産の大型の結晶を紹介した。白濁していてあまりキラキラではなかったがまた別の趣があった。
ミネラルショーで入手。産地は千葉の南房総市平久里で、おそらく海底火山由来の枕状溶岩中のもの。山の中らしいが一度行ってみたい。