菜の花畑沿いの道脇の草むらに、いつの間にか穂が多数突き出していた。改めて見てみると穂が不気味なほど赤い。どうなっているのか?
スイバは雄株と雌株が別々である。穂の高さはほぼ同じ。スリムな雄株(右)は拡大すると6枚の花弁を持つ雄花がビッシリついている。少し赤い色に染まり黄色い雄シベが見える。一方、雌株(左)は紅色の粒に見えるのが雌花で、雌シベの柱頭が赤い房状になっている。どっさり付いているリンゴの薄切りみたいなものは実で、中央の緑色は種だ。
この場所では雌株が圧倒的に多く、群落の端の方に数本の雄株が固まっていた。風で花粉をやり取りする。なぜ雌雄があるのかは複雑深遠なテーマだが、その方が生物として安定するようである。
酸っぱいのでスイバという。これはシュウ酸という酸性物質を多く含むためで、齧るのは止めた方がよいだろう。