多摩丘陵の新緑も濃くなって、湿気を帯びた風にサワサワ微かな音を立てている。気持ちいいなと思ってみていると、木々の間になにか白いものがチラチラ見える。ああまたあの季節だ。
何年も前に気づいたがことだが、毎年今頃白い蛾が大発生する。固まっているのではなく、適当な距離をとって林全体に分散してヒラヒラ見え隠れしている。よく見るとすごい量だ。しかし飛んでいる姿をデジカメで撮るのは難しい。
夜にバタバタしている普通の蛾と違って、真昼間にヒラヒラ翔ぶ。最初は蝶の仲間かと思ったぐらいだ。羽根を開くと5㎝ぐらいあるだろうか。調べるとキアシドクガという種類の蛾だった。ドクガの仲間だが、いわゆる毒はないそうだ。そのせいか毒々しい感じはしない。ちょっとくすんだ白い羽根に黄色い脚が特徴だ。普段は雑木林の中でミズキなどの葉を食べている普通の毛虫だ。
例年各地で大発生して話題になっている。あまりすごい量なのでナニゴトかとおもってしまうが、いつの間にかいなくなる。ちょうどツバメやホトトギスなどが渡ってきて巣作りや托卵をする時期だし、きれいに食べられてしまうのか。