丘陵地の雑木林の中の小道。高木の下に低木が生えており葉を広げているので、足元は昼なお暗く雑草すら生えない。雨が降ると小道は川のようになり水に漬かってしまう。そんな場所にこの植物は花を咲かせていた。白色に紫色が掛かった独特の色である。
スズランなどの仲間であるキジカクシ科の常緑多年草。名前は葉の形を竜のヒゲに見立てたもの。小さいので蛇(ジャ)のヒゲになってしまったようだ。葉が太いのでおそらくオオバジャノヒゲという種類だ。
この日陰でも逞しく育つ耐陰性が注目され、日陰の庭などによく植えられている。今頃は街中でもたくさん花を付けているがまったく目を引かない。やはり本来の自生地でけなげに生きている姿は目立つし感動する。
秋以降ツヤのある藍色の丸い実を付ける。これも見どころである。