暗くなると小葉が閉じて眠ったようになるのでネムという。大木になるが、どういうわけか小さな草本のオジギソウと似ている。ただしネムノキは触っても葉を閉じない。子供の頃、大きなオジギソウがあると思って触ったりしたことを思い出す。
日本及びアジア大陸に広く自生し、また植樹もされている。花が咲くと丘陵地などにも結構生えていることがわかる。マメ科(ネムノキ科になっている資料もある。)だが典型的な花の形(蝶形花)をしておらず、一つの花は花弁が合わさって筒状になり長い赤紫色の雄シベが何本も突き出している。それが10‐20本集まった扇形をしている。
ネムは漢字で合歓と書く。中国では葉が合わさるところが夫婦和合の象徴と考えられているためである。かの国の花扇のような風情だ。漢方薬として不眠症に効くとのこと。ちょっと話がうますぎる。