多摩丘陵の谷(谷戸、やとという)は一番奥に湧水があり、下流は谷水田として利用されている。湧水のあたりは湿地か小さな池のようになっていることが多い。そこに奇妙な花が咲いていた。水面から径3㎝ぐらいの三弁の花だけが出ている。ピンク色で中央が白く黄色い雄シベが目立つ。よく見ると水中に葉らしきものが見える。
調べるとミズオオバコという水草であった。確かに水中の葉はオオバコが水に漬かって藻が生えたような感じだ。
この植物は普段水中で生育し、花と実だけ水面に出す。遠縁のオモダカも白い三弁の花だが葉は水面に出ている。昔は水田に多かったそうだが、今はこんな場所に残っているだけである。