花穂の形を虎の尾に見立ててトラノオという。確かに猫の尾のようにイイカンジで波打っている。乾燥した丘陵地(オカ)に生育する。多摩丘陵では明るい林床や林縁に群生している。今頃は至る所で咲いているのがみられる。
近づくと小花がカワイイ。サクラソウ科といわれると納得する花だ。雄シベがほんのり赤紫色なのがよい。合弁花(花びらが分かれていない)で、先が5つに深く裂けたものだ。
ちょっと気になったのは穂の向きである。ある広い斜面でなびく方向がほぼ同じだったのだ。斜面の傾きや光の来る方向、風の通り方など考えたがちょっと分からない。他の場所で向きがバラバラの群落もあったのでタマタマかもしれないが…。まあ、向きがそろっている方が見ごたえはある。