以前花を紹介したバラ科のキイチゴ三種類とヒメコウゾ(クワ科)の果実ができていた。大きさは径1㎝程度である。場所は雑木林の縁(へり)。芽が出てから2-3か月にもなると、風に擦れたり、虫に食われたりで痛んでいる葉が多い。
キイチゴは小さな水分の多い実(液果)の集まりで中に種が入っている。一方、普通のイチゴは花托(かたく、花の土台になる部分)が膨らんで赤く色づき、種は表面についている。でき方が違うのに、どちらも赤っぽくなるのは鳥などに食べてもらうため。
左上:カジイチゴ(花の記事は4/18付け。以下同じ。)大きくなった葉の下に隠れているが、2‐3mの大柄な灌木なので下から見える。イクラを思わせる色だ。ガクとの間にある毛みたいなものは枯れた雄シベだ。
右上:ニガイチゴ(4/18)実は葉の上に出ている。目立つところのものは鳥に食べられたのか残っていない。これは他の草木の葉の下になっていたもの。
左下:ナワシロイチゴ(5/11)赤いツブツブの実は少ない。実にならず枯れてしまったような花も多い。花弁が小さくて目立たず受粉しにくいのか。その代わり花の数が多い。
右下:ヒメコウゾ(4/24)雌シベの柱頭の名残りが毛になって残っている。バラ科の果実とは少し色合いが異なる。透明感があり、葉を透かした光が当たると小粒の紅メノウのような感じになる。