植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

イヌシデの果穂

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 以前冬の多摩丘陵で葉を落とした木の幹が、滑らかで縦に裂けたような模様があり美しいとして紹介したものだ。今は花の時期が終わって葉が広がり、緑が濃くなっている。雌花がちょっとホップを思わせるような緑の翼(よく)がついた果穂になっていた。

 カバノキ科で春先に白っぽい花穂(雄花)を大量に垂らす。それをシメ縄などにつけられるジグザグの紙片(紙垂、しで)に見立て、燃えにくくて薪にならず役に立たないということで名前に「イヌ」がついている。

 きれいな花が咲くわけでも実がなるわけでもなく地味な印象だ。しかし、20mにもなる高木で、大きく枝を広げた樹形が美しい。シラカシやコナラとともに近場の雑木林を構成する代表的な木である。