共通点は二つ。一つは科名がそのまま種名であること。前に何もつかない。カタバミ科カタバミ属カタバミ。スミレも同じ。もう一つは都市に適応していること。カタバミは道路の側溝のコンクリートの隙間。スミレは歩道の隅のアスファルトの割れ目でしっかり花を咲かせていた。
カタバミはピンクの花のムラサキカタバミとは類縁だがずっと小さい。葉の形や大きさなどはそっくりだが全体に赤っぽいもの(アカカタバミ)、や背が高いもの(オッタチカタバミ)は別種である。小さくても地中に大きい鱗茎と太い根を持っており、シタタカに生きている。庭などに雑草として入り込まれると防除が大変である。
一方スミレは濃い紫の花で、いわゆる菫色だ。街で見かけるとけっこう鮮烈な印象を受ける。例年4月上旬ごろに畑のあぜ道や野原で開花するが、近年はやや早い時期に都市部でよく見かける。車の排気ガスなどものともしないようだ。タチツボスミレは野山であれほど生えているが街でほとんど見かけないのと対照的である。