植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ナガバノスミレサイシン

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 桜が咲いていよいよ春めいてきた。これからは様々な草花が開花し、次々と入れ替わっていく。一週間もたたないうちに様変わりする。今の時期の多摩丘陵を歩くとタチツボスミレの花盛りである。葉が丸っこいハート形で、地上茎と特徴的な托葉があればすぐ見分けられる。乾燥した日向を好むようである。

 3月初旬に早咲きのスミレ(アオイスミレ)について述べた。今回は、その次に咲き始めるナガバノスミレサイシンについて紹介する。長い名前だが、葉の形がウスバサイシン(カンアオイの仲間)に似たスミレの一種で、葉が長いものである。

 いろいろ探した結果、雑木林の中の半日陰で湿った場所で明らかにタチツボと違うスミレを見つけた。花は同じ薄紫色だが、やや大きく、花弁は波打っていて先が尖っているように見える。特徴は先ず葉の形。画像のように舟型(縦長のハート型)で、他のスミレとは異なるタイプだ。もう一つは、花の後ろの突き出た部分(距、きょ)が太短くて大きいこと。タチツボはやや細長い。

 地域によっては絶滅危惧種とのこと。多摩丘陵里山に残っているのは貴重だ。大事にしなくては。