今年はソメイヨシノの開花が記録的に早いそうだが、近場でも野生の桜が花を付けだしていた。
ヤブザクラは多摩丘陵に自生する固有種である。原種であるマメザクラとエドヒガンの自然交配種といわれている。華奢な感じのする小高木で、薄暗い雑木林に入り混じるように生えておりそれが薮桜の名前の由来である。
場所は東京都町田市の片所谷戸(かたそやと)。多摩丘陵の相模原台地に対する崖線に深く切れ込んだ谷だ。最奥部に泉があり、住宅地の中に昔ながらの植生が辛うじて保存されている。
花は白くわずかに紅がかかり上品な感じ。やや下向きに平たく開いて咲く。ガク片に細かい鋸歯(ギザギザ)があるのが特徴。画像では花びらを透かして見える。また片親のエドヒガンのようにガクの根元が膨らんでいる。以前このブログで紹介したホシザクラはよく似ているが、ガク片はきれいな星型である。