東京都町田市のかしのき山公園では、昔の自然環境を取り戻す実験を行っている。元里山の一角で、侵入植物を取り除き冬の枯草を刈って日当たりをよくする。かつて農家さんが行っていた“手入れ”だ。春の訪れとともに急速に葉を伸ばし、最初に花を咲かせる植物の一つがこれ。他にもタチツボスミレの大きな株などがみられる。
キジムシロは野イチゴの仲間で、花と葉がイチゴ(白花だが)とそっくりだ。ただし、花が終わっても花托(花びらや雄シベ雌シベの土台の部分)が膨らまない。要するに赤い実ができない。葉や花茎が地を這うように広がり、敷物のよう。そのため鳥のキジがこの上に寝そべって日向ぼっこしてそうなイメージからこの名がついた。
黄色い花が春の陽光を浴びていかにも暖かそうだ。