今頃の多摩丘陵は花がまだ少なく、花房(はなぶさ)が木の枝全体に垂れ下がった様子は目立つ。画像は花房の一番上の部分。一つの花は径7-8ミリの釣り鐘状で、4枚のガク片の2枚が大きく、4枚の花弁が6枚あるように見える。薄黄緑色の花は蛍光を発しているようで美しい。
花房ごとに雌雄がある。この花は雌花らしく、中央に緑色の雌シベがあり、その周りの黄色い雄シベは退化している。
キブシ(木五倍子)という名前の由来は、実(み)にタンニンが多く、染色に用いられる五倍子(ふし)の代用品として使われたことによる。花が終わるとサクラに似た葉が出るがどうも印象が薄く、どの木だったかわからなくなる。