これも片所谷戸。日本の桜の原種は主なものが7種類あり、その一つである。木はあまり大きくならず枝が細かく分岐する。花も1-2㎝とソメイヨシノより小ぶりで、下向きに咲くお椀型。花びらは丸っこい形で先が凹む。白い花だがガクが赤紫色で少し紅に色づいて見える。なんともカワイイサクラだ。
調べると、この植物は富士・箱根や丹沢に多く、分布が中部地方南東部から関東地方に限られる。いわゆるフォッサマグナといわれる地域の固有種のひとつとのこと(生命の星地球博物館HP参照)。この地域は、東北日本および南西日本とは地質的に隔絶しており、南の方からフィリピン海プレートに乗ってやってきた島嶼が次々と衝突して形成されたものと考えられている。そのため生態学的にも独立したゾーンになっているようだ。
公園の植え込みなどで見かける小型で早咲きの桜はこの種類なのだろうか。