10月も高温の日が多かったので11月になっても初秋の気分である。しかし多摩丘陵の一角にある自然公園を歩くと、今の時期相応の花が見られた。かつての里山で、シラカシやコナラを主とする雑木林が残されており、林縁などに半日陰の植物が多い。
ホトトギス(画像上)
名前の由来は花びらの斑点模様を鳥のホトトギスの胸の模様に見立てたもの。ユリ科の多年草で日本固有種。山地の半日陰でやや湿った環境に自生する。花期は9-10月だがまだ結構残っている。公園管理所の近くなので元々生えていたものかどうかはちょっと怪しい。
リュウノウギク(画像下)
近場のノギクの中で最も遅く咲く種類だ。切通しの斜面などの陽だまりでいつの間にか花を付けている。葉が園芸種のキクに似ている。
ヤクシソウ
これも花期が遅い黄色いノギク。12月初旬まで寒くなっても花を付け続ける。
マルバフジバカマ
キク科。北アメリカ原産の外来種。近場で見たのは初めてだ。白い花は筒状花のみ。ヒヨドリバナに似ているが花房に含まれる小花が多い。なお日本のフジバカマはフジ(藤)の名の通り薄紫色の花である。
コウヤボウキ
花期は9~10月。林縁に群落をつくっている。キク科には珍しい木本(もくほん)である。花はアザミに似て筒状花のみで独特の形をしている。高野山金剛峰寺では葉の落ちた枝を束ねて箒にしたという。
ガマズミ
ガマズミ科。先日も紹介したが、赤い実が林縁に見られると秋の深まりを感じる。
今頃実をどっさりつける。赤い果皮が破れて黒い種が出てくる。ミツバウツギ科。