植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ツヅラフジの花

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雑木林の林縁や路傍の草むらで春からよく見かけた植物である。正体が分からず、長い間謎であった。ツル性で、若芽が尖ったスペード型をしており、ヘクソカズラやアカネとも思ったが葉の付き方や質感が違う。葉が大きくなってくるとキヅタにも似てきた。サルトリイバラにも似ているが、巻きひげがない。葉が特徴のない舟型から、五~七裂してブドウみたいなものまで千変万化して、個体ごとに別の植物のようである。

 

最近花を付けているものに出会い、ようやく名前が分かった。ごく小さく薄緑色の地味な花である。ガクと花びらは6枚。花びらはよく見ると先が二つに割れている。雌雄別株でこれは雌花、中央に雌シベの柱頭が見える。雄花は雄シベが目立つ。これで草ではなく木なのだそうである。身近では長く伸びたものは見たことがない。

 

ツヅラフジ科。日本と東アジアに分布。フジ(藤)に似たツルでつづら(葛籠)を作ったのが名前の由来。つづらとは植物のツルで編んだ蓋つきの箱のようなものだ。昔話「舌切り雀」に出てくるアレである。

 

秋にブドウに似た実を付ける。亜種としてオオ(大)ツヅラフジとアオ(青)ツヅラフジがあるがよく似ている。画像の植物はどちらかわからない。おそらくアオの方である。実の色が違うので、その時期にまた話題に取り上げるつもりである。