1週間ほど暖かい日が続いた。日当たりのよい道端の黒土からは一斉に草が伸び始め、もう花までつけているものもある。画像はカラスノエンドウだ。少し気を付けて探すと至る所に生えている。
マメ科ソラマメ属。つる性で偶数複葉の先端が巻きひげになっている。花は10-15㎜でおなじみだ。つるは互いに絡みあって立ち上がり現在草丈は20㎝ぐらいだ。
漢字で書くと烏野豌豆である。花の後できる小さな豆のさやが真っ黒になるため、カラスを思わせる野のエンドウという意味だ。矢の羽根のような葉の形からヤハズ(矢筈)エンドウが正式名称だが、カラスノエンドウのほうが通りが良い。
昨年の11月後半くらいから小さな芽が出ていることは知っていた。その後、真冬の時期も少しずつ大きくなっていった。陽だまりなどではいつの間にか茂っていたが、花はつけていなかった。このところの温かさで爆発的に成長を始めたようだ。
以前野菜のエンドウのことを紹介した。カラスノエンドウは大きさはずっと小さいながら姿かたちや寒さに強い性質はよく似ている。調べてみるとエンドウと同じ地中海から古代オリエント地方の原産だ。麦やエンドウとともに栽培化され、一緒に日本まで伝わったが、そのうちに放棄されて雑草として全国に広まったそうである。