前回のアキカラマツに絡まっていたつる植物。花は付けていたが、以前紹介した同じキンポウゲ科のボタンヅルだと思ってスルーしていた。しかしどうも全体の感じが異なる。そこで調べてみるとコボタンヅルという変種であった。
日本から中国まで山地の林縁などに分布。園芸種クレマチスの親戚にあたる。変種といっても特に珍しいものではなく、名前のように小さいわけでもない(花の径2㎝弱)。花もちょっと見ただけでは見分けがつかない。ただボタンヅルよりスッキリして優しい印象を受けた。
一番の違いは葉である。複数の小葉(しょうよう)からなる葉を複葉(ふくよう)というが、コボタンヅルは3枚の小葉がさらに3組ずつに分かれた合計9枚からなる2回3出葉というタイプである。一方ボタンヅルは3枚の小葉からなる(1回3出葉)。画像に見える葉で確かめていただきたい。それぞれの小葉の形が微妙に異なるのが面白い。
なお、下の方の花に写り込んでいる虫はミドリバエというハエの仲間である。背中と腹がメタリックな緑色で虹色を帯びており、花のミツを食べている。普通のハエのイメージではない。自然のものを観察していると意外な出会いがあるのが楽しい。