小山内裏公園には多摩丘陵の珍しめの野草を集めた見本園がある。今の時期は夏草に紛れていることが多いので、実物をよく観察してから探すと見つけやすい。
画像はカリガネソウである。地味なものが多い中でこれだけ浮いたような存在感だ。最初は園芸種が紛れ込んだのかと思った。草丈は1m近くあり、派手な紫の花である。雁金草というのは花の形が鳥の雁(かり)に似ているところから来ている。触るとイオウ臭がするそうだが、試さなかった。
シソ科。花弁は5枚で上向きに2枚、左右に2枚。下向きの一枚が大きく白い紋様がある。白い雄シベ雌シベが上に長く伸びて大きく前に弧を描いている。花粉を運ぶ虫が花びらにとまると、雄シベが背中に当たって花粉を振りかける仕掛けになっている。
残念ながら自生したものにまだ出会ったことがない。必ずどこかに生えているはずなので、探してみるつもりである。