植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ソクズの花と蜜腺

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今頃の野草は繁茂するばかりで、興味を惹かれるものに出会うことはほとんどない。あっても地味な白い色の花が多い。と言いつつまた白い花である…。

 

多摩丘陵の人家近くの空き地に7月頃からこの花が咲き続けていた。草丈は1.5m以上あり群落になっている。夏草の間では目立つので気にはなっていたが、どれも似たり寄ったりのセリ科植物の感じがしたのでスルーしていた。最近改めて調べると、ソクズという初めて名前を聞く植物だったので細かく観察してみた。

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花は径4㎜ぐらいの白い花弁が五つに裂け、花弁と交差するように5本の雄シベが配置している。この花にミツはなく、同じぐらいの大きさの黄色い蜜腺(腺体)が独立して付いている。面白いのは形と色がまさに蜜壺【🍯】であることだ。クマのプーさんに出てくるアレだ。蜂や蝶はそんなことを知るわけも無いのに寄ってくる。不思議なことだ。

 

本州以南に分布。少し前の図鑑ではスイカズラ科となっているが、最新の分類ではガマズミ科に入っている。秋にガマズミに似た紅い実が成る。薬効が知られており、名前の由来は諸説あるが、漢方薬としての難しい漢字の読みが訛ったらしい。昔よく庭に植えられていたニワトコに似ているのでクサニワトコともいう。