雑木林の中の道沿いに生えていたもの。半日陰の場所で、日向では見かけない植物である。草丈は30㎝ぐらい。花穂の先端に棒状の雄花があり、その下に2、3個の丸い雌花が付いている。一見してカンスゲの仲間と分かる。
カヤツリグサ科スゲ属の多年草。全国に分布。スゲの仲間は葉が濃い緑色のものが多くて地味だ。どちらかというと暗いイメージだが、これは全体が明るい緑色である。雌花は雌シベの先端(柱頭)が3つに分かれて長く伸び白い綿毛のように周囲を覆っている。雄花から出ているものは雄シベの葯(やく、花粉嚢)である。
「肥後草」の字が当てられるが名前の由来は不明。一説には棒状の雄花の形から竹ヒゴの「籤(ひご)草」であるという。花は白い糸が絡まった球のような奇妙な外観だが、ある種の美しさがあるように思う。