雨上がり。山道の林縁で花を探していたらタマムシがいた。ハキダメギクにとまってじっとしている。メタリックな輝きのグリーンに濃い赤の墨と筆で2本太い線を引いたような模様は、思わず見とれてしまう。子供のころは身近にたくさんいたような覚えがある。近場ではすっかり珍しくなった。
和名はヤマトタマムシ。タマムシ科は日本に多くの種類がいるがもっとも普通のものである。成虫はエノキなどの木の葉を食べるらしい。また、幼虫はカミキリムシのように様々な木の中でトンネルを作って暮らしている。もちろん果樹につくと害虫になる。
名前の由来は玉(宝石)のように美しいことから。金属的で虹色の輝きは角度により変化する。こういうものを天敵の鳥が嫌うので防御になっている。田んぼの鳥よけのテープに風に揺れてキラキラするものがあるが、同じ原理が使われている。