シソ科の多年草。北海道~九州の山地の林縁などに分布。見つけたのは都市近郊の低山で麓のバス停から10分ぐらい登ったところ。そんな近いところでも平地とは少し違う植物に出会う。
類縁のトウバナは、平地の田畑の周囲などに雑草的に生えている。背丈は低くて10~20㎝ぐらい。花は輪生して次々と輪が積み重なってゆき花序が長く伸びるのでトウ(塔)花という。イヌトウバナは花の輪の間が離れており草丈も20~30㎝になる。イヌ(犬)というのはよく似た亜種といった意味であろう。
花は白色で長さ6、7㎜、幅4、5㎜と小さいが、かすかに薄赤紫の模様がある。茎の断面は四角形で葉は同じ科のミント系植物そっくりである。全体に清楚な印象を受ける。