先日の里山は道路や畑で大幅に人の手が入っており、植物も平地のものに近い構成だった。今回は違う場所、雑木林が残る多摩丘陵の一角である。下草が刈られて野原のようになったところだ。
キジムシロ(画像上)
バラ科。この植物は花柄を伸ばして放射状に広がり先端に花を付ける。その結果花が円形に並ぶ。名前はキジが座るのに敷く筵(むしろ)という意味。
フデリンドウ(筆竜胆、画像下)
枯れ葉の中から小さい花が突き出していた。青い色からオオイヌノフグリかと思って見逃しそうになる。息をのむような瑠璃色だ。
花房が伸びてきて重ね着のようになる。平安王朝時代の十二単(じゅうにひとえ)である。
アカネスミレ(茜菫)
薄紫のタチツボスミレが多い斜面の一部分が紫色になっていた。葉の形と表面がビロード状であることからアカネスミレと分かる。
野原に咲くセンリョウ科の多年草。花びらが無く白い雄シベが目立つ。名前は静御前(しずかごぜん)にちなんだもの。
多摩丘陵特有の植物。今頃葉の根元の地面に花を付ける。花びらがなくガクが花のような形になる。