深山金鳳花。本来高原などで見られる植物であるが、出会ったのは高尾山に連なる低山の谷間の道である。一応東京都の範囲だ。昼なお暗い所で、時たま射す木漏れ陽を浴びて輝いていた。
普通のキンポウゲは正式にはウマノアシガタと言い、日当たりのよい水田などの湿地によく生えている。全体から受ける印象はまったく異なる。
この花は径2㎝くらい。画像のように花弁びらが丸くて重なり気味であり、桜のように先端が撚(よ)れて少しへこんでいる。ウマノアシガタの花びらは小さくて離れており、撚れていない。また葉もウマノアシガタと比較して細かく裂けている。
キンポウゲ科の特徴で、花びらに見えるのはガクである。そのため少し硬く、独特の透明感とツヤがあって、光が当たるとセロファンでできたもののように煌(きら)めく。この黄色が何とも言えない。好きな花である。