植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ヒカゲスミレ

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 これも白いスミレ。アリアケスミレ(4月6日付)との違いは、葉がトランプのスペードみたいな形である点で明瞭。花茎が斜めに出て短く全体に平べったい感じで、見た目の印象もかなり異なる。今年は3月下旬に咲いているのを見たが、例年はもう少し遅い。同じく白いマルバスミレは一回り大きく、葉の先が丸まっていることで識別できる。

 花は基本的に白色で、唇弁(下向きの花びら)に赤紫の条(スジ)が緻密に入る。側弁や上弁のスジは少ない。側弁の基部に毛がある。距は太くて長い。

 「ヒカゲ」という名からわかるように半日陰の湿った場所を好むとされているが、ソコソコ陽当たりがある場所でも見かける。この花を見つけたのは多摩丘陵にある神社の北側斜面で、高い木による明るい日陰である。ここで生えているのはタチツボスミレがほとんどだが、ごく狭い範囲でこのスミレのみの領域があった。

 近くの高尾山では葉の表面が黒紫に日焼けしたような色の変種が知られており。タカオスミレと呼ばれるそうである。神社などの清浄な空間が似合う植物である。