植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

タチヒダゴケ

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 ケヤキの樹皮に着生していた。指摘されないと樹皮がちょっと緑色になっているようにしか見えない、小さなコケだ。神奈川県立四季の森公園で、里山研究会の観察会に参加して教えていただいたものである。

 コケは独特のみずみずしい緑色と柔らかい感触が昔から好きだ。スギゴケの仲間は頭にサクという丸っこい胞子嚢をつける。これには帽子のようなフタがついていて、熟すと外れて中から芥子粒のような胞子が出てくる。子供の頃、つついて遊んだ覚えがある。

 このコケは眼を凝らしてみると、全体が卵を立てたような形で、筋のあるニット帽のようなフタをつけていることわかる。今の時期は乾燥しているので丸まっているが、温かい季節はもう少し葉(?)を広げているようだ。名前は、「立ち」上がって「襞(ひだ)」のある帽子をつけることから立襞苔とのこと。別名コダマゴケ(小玉苔)。

 極小ながら見れば見るほど愛嬌のある造形である。こういう世界もあるんだなと再認識した。